つい仕事の忙しさに、ほっておくと雑草の方が花より目立ってくる。毎日、水をあげることと、雑草をとることは大変な作業である。好きでなければ出来ないことである。しばらくすると、雑草にも花がついてきて、これがまたなんともいえない可愛さがある。可憐な小さな花をつんでしまうのはなんとなく気がひけるようになる。花壇の中には花と雑草が同居して「自然なり」とひとり悦に入る。しかし、花を愛する人はたくさんいる。花壇の中に雑草があるのは「ゆるせない」とばかり雑草を抜いて、散りかけた花ビラまでもきれいにとってくれる。その手際のよさには驚く。「あっ」という間である。
「あの~その雑草の花、残しておいて下さい」…とも云えず 、
「すみません、お手を汚させてしまって…」…残念なのである…。
雑草というか「野の花」にはそれぞれ名前があることを知ったのはつい最近である。名のない花はない。名の知らぬ 花が坂道に咲いている。ピンク色した小さな花だ。隣にはうす紫色のコスモスに似た花が咲いている。この花の名も知らぬ が、花壇の中からは抜かれてしまったが、その仲間がいっぱい咲いている。花壇をつくったので、雑草の花にまで気をつけるようになった自分は、自然の中の様々な生命をまたひとつ感じられるようになった。その気持ちでいると、野の花の咲く坂道に「きじ」の子どもが一羽「えさ」をついばんでいる。近づいても気にせず逃げようともしない。さわやかな風がそんな私たちにふれて通 りすぎた。
-山荘のベランダに座り、摘み終わった茶畑を見ながら「新茶」を飲む-遅霜被害も少なくてすんだようだ-