「シトシト」と降る雨は、たえまなく「キリ」の「カーテン」となって再び上空へと上がっていく。
動きが止まると、濃霧(のうむ)となり、5~6メートル先が見えなくなる。山荘全体がこの濃霧に包まれるのは短い時間で、やがて、「キリ」の間から姿を現すと、ムードのある歌声が聞こえてくるようだ。…「むせぶような……♪♪……」
「山荘」の前方には、「風の谷」があり、このような動きが「キリ」の濃淡をつくるのである。
それは「美しい絵」となって次から次へと「アート」の世界を楽しませてくれる。
早春の雨は、草木にも恵みを与え、静かに動いていく。
朝食用の「フキノトウ」が先を争うように頭をもたげている。「てんぷら」と「みそいため」となり、食卓をにぎわす。