まるい月が杉林の上にうかび、その明かりに「えいきょう」されることなく、光る星が無数に輝いている。
あたり前のことが、なにか得をしたような気分になるから不思議だ。
寒さを忘れ、坂道でたたずみ星を見上げている人たちを「夕やみ」はさらに包み込んでいく。
この季節、木の葉がすっかり落ちた雑木林も、自然な冬のおくりものだ。
寒さがあたり前と思うと気にならない。
つめたい空気に木々の香りがついているのも木の葉とはまた別な味わいがある。
「満天の星」をみようとすれば、明方3時ごろみるのもよし。
「カーテン」をあければ、部屋の中から見える。
その時間、「月」は前山の上空に残っている。
「流れ星」が見えるのもその方向である。